「クセがスゴイ」といえば、そば屋の言い回し。
「通し言葉」というやつですな。
江戸の老舗蕎麦屋に行くと現代でも聞くことができますな。
神田やぶの「いらっしゃいいいいいい」ってやつね。
江戸の接客用語がそのまま残ってますな。
思えば江戸から続く飲食店って蕎麦屋ぐらいかもしれんね。
さて先日、ネットの投稿サイトで
ウチの言い回し「いらっしゃいませええええ」をどうなの?という投稿があった。
気分を害したなら申し訳ないと思いつつも
「うーん。蕎麦屋の言い回しなんだけどな。」とも思う。
昔から使われている日本語というのは
現代の日本でもチラホラお目見えする。
・蕎麦屋の通し言葉
・大相撲の行司言葉
・歌舞伎・浄瑠璃言葉
・神主の祝詞言葉
現代の飲食店接客から見ると
丁寧な落ち着いたやや低い声で
「いらっしゃいませ」と言えばいいのかもしれない。
でも、想像してみてよ。
時代劇のそば屋。
「いらっしゃいませ」
低い声で言ってごらん。
もう何屋かわからない。
ウチはそば屋なんで。
そこは「いらっしゃいませえええ」
これよ。
中村梅之助が「よっ!」って言いながら入ってくるイメージね。
しっかりと言葉文化も継承していきたいと思うんよね。
四国でそば文化を発展させていくのは道が険しい。
もっと頑張らないと
「えっ!そば屋が何言ってんの?」
そんなお叱りが聞こえてきそうです。
確かにそうかもしれません。
食文化の風物詩である「年越しそば」を辞めるに至る経緯として
時代(とき)の流れというものを感じています。
私達は昨今の大量生産・大量消費に背を向け、
自分達でできる範囲での生産販売をしておりました。
(自家製粉・自家製麺を指します。)
ありがたい事に年々お客様に認知して頂き、
その販売数量も増加を極めております。
ほんとうにありがとうございます。
しかしながら、お客様からのご要望に、
お答えできないもどかしさを感じているのも事実としてあります。
「それは大量に生産できない事。」
予約開始日から3日間で予定数量に達した為、
予約を締切るようではお客様に混乱を招くと思うからです。
「年越しそば」というものを多面的に捉えた時に、
私達は品質に重きを置きたいと思います。
「食文化の一翼を担う」という言葉を行動指針として今までやってきました。
その思いはこれからも変わりません。
「年越しそば」という文化を大量に生産してやり過ごすのではなく、
私の思う品質を維持したそば屋でありたいと思っています。
それが私たちの仕事と思うからです。
ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
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